Jan 23 2012
雪が降った
渋谷駅の山手線ホーム
遅れてきた電車に最後に無理やり乗り込んだぼくの目の前に現れたのは紛れもない彼女だった
ホームで次の電車を待つ彼女と
満員の車内からこぼれ落ちそうになりながらキミをみるぼく
ぼくをみるキミ
もしかしたら似ているだけの人だったのかもしれないのだけれど
時が経つにつれ
彼女だった理由しか浮かんでこないのです
まんまるでくるくるで
たとえ他人だったとしても、ぼくは彼女に包まれたかのように
そうまたあのときの感じそのままに
心臓をワシ掴みにされたみたく
ぎゅう
と収縮してそして今もそんなふうです
最後に電車に乗り込んだのぼくと次の電車を待つキミ
約1mの空間に隔てるものはなかった
声を
かけなきゃ
というぼくを思いとどまらせたのは
ぼくはそう紛れもなく彼女に避けられているという圧倒的な事実を思い出したこと
声をかけたらまた彼女が苦しい思いをするのだということ
その瞬間にぼくは自分をころしてしまった
スタジオに勤めていたころ
機材や細引きをもう動かないようにすることを「ころす」と言っていた
毎日ころしてころして機材を固定し続けた毎日
そしてぼくは、ぼく自身をガッチリところして殺した
単なる偶然
だとおもってた
偶然=chance, accident
ぼくにとってはaccidentだとばかりおもっていたけれど
chanceが潜んでいたなんて
chanceだったかもしれない
そのchanceをころしてしまった
それでも彼女に会えたと
うれしいぼくも確かにいて
彼女じゃない他人でも
デイドリームでも
うれしいぼくはもう嫌です
あぁもう自分の持っているこの感情を
脱いで捨ててしまいたい




